小川聡クリニック

読んで役立つ院長の医学講座 〜圧倒的な臨床経験と知識に裏打ちされた院長からのメッセージです〜

第4回心房細動を治すには?

実際に心房細動になってしまった場合、どんな治療法があるのでしょう?
大きく分けて3通りあります。まずは、抗不整脈薬というお薬で、発作を予防したり、慢性的になりかかった心房細動を止めて正常の調律に戻します(「リズム治療」と呼びます)。心房細動中に頻脈になってひどい動悸が起きるのを防ぐ薬もあります(「レート治療」)。第三の治療法は、血栓ができ難くする抗凝固療法です。以前から使われてきた代表格がワルファリンという薬ですが、「納豆を食べてはいけない」ことで有名なように、食物や他の薬品との相互作用があり、安定した効果を維持するのに苦労が要りました。その中で、2011年以後にワルファリンに代わる新薬が登場し始め、現在では4種類が使えます。ワルファリンと区別するために、これら新薬は「直接作用型経口抗凝固薬」(Direct Oral AntiCoagulants)(頭文字をとってDOACと略します)と呼ばれて、多くの患者さんに処方されています。